あかいろのしずく
それはあまりにも一瞬で、衝撃的で。
私は私の口から発せられた言葉だとすぐに理解できなかった。ショウトの驚いた顔を見て悟ったのだ。
ハッとして、違うんだと言おうとして。
でもできなかったのは、それがショウトに対して酷い態度でありながら、自分の言った言葉が正しいと分かっていたからである。
そうだ、よく考えてみれば、怯えない方がおかしいんだ。
先生が何時何時(いつなんどき)でも私達を殺めることができると知っていながら表情に出さないなんてこと、できるはずがなかった。
「ごめん。寝るよ......」
体の向きを変えて壁の方に向くと、目を閉じた。
駄目だ、冷静にならないと。