あかいろのしずく
それからサキは、その時の気持ちも、先生のカウンセリングのことも、話してくれた。



サキは後悔したんだと知った。


純のことをあの時止められたのは、自分しかいなかったのに。それができなかったことが、自分に今まで経験したことのないぐらい重い責任としてのしかかってきたのだと。


自分は人を殺したんだと、思う時もあったらしかった。



たぶんそれは、私が思っている以上に辛いことなのだろう。

ああ、辛そうだね、なんて、同情のつもりで言ったとしても、おそらくそれはほんの少しの慰めどころか、彼女のことを傷つけるだけの道具にしかならないのだと思う。


そんな中で先生に会って、催眠にかかり、ここに来たと。



本人曰く、こうやって普通に話せるようにまでなったのは、自分への余計な干渉がなかったことと、ガラリと変わった環境のおかげかもしれない。なんだとか。
< 422 / 754 >

この作品をシェア

pagetop