あかいろのしずく
   









脱出決行前日。



日中はいつものように特に何もせずに過ごし、先生も特に疑う様子もなく部屋に入って出て行った。


脱出までもう間もなくだったから、なんだかソワソワしていたけれど、ようやくこの生活も幕を閉じるのだと思うとホッとした。


良かったんだと思う。
脅されたって帰さないと言われたって、答えを出すのはいつだって私達だった。



大人の言うことに従わなければいけないルールなんて、どこにもなくて。
私達は本当は自由なのに、勇気がないだけでなにも出来ない子供なのだと知った。


だからこうやって、誰も何も先生の言いなりにならないでここまで来れたことは、本当にすごいと思う。





そして私達をここまで引っ張ってくれたのはアズマだった。
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