あかいろのしずく

しかし、当の本人から言葉が返ってくることはなく。あれ、と思って顔を上げれば、アズマは目を閉じていた。



聞こえてくるのはすやすやと気持ちよさそうな寝息。私はサキと顔を見合わせて、さっきと同じようにくすりと笑う。



なによ、天然?
おかしいな、笑っちゃうじゃん。



それからしばらく二人で笑った。




床に横になって、サキと「おやすみ」とかわした。
すっかり声も何もしなくなって、聞こえるのは時計の針が動く音と息の音。

ごろんと寝転がれば、みんなの寝顔が目に映る。



サユリさん、ショウト、サキ、アズマ。
ここに来て五人で過ごして、もう三日が経とうとしている。

今から一日と少し経てば私達はもうここにいない。




そう思うと、なんだか眠れなかった。









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