あかいろのしずく
それからすぐに膝を落として、同じようにアズマの様子を見る。
明らかに緊急事態だった。にも関わらず、次の瞬間。








ガッシャ―ン!!




天井から空気を切り裂くような音が聞こえて、私と先生は同時に顔を上げる。ショウト達だ。たぶん三人で脱出しようとしているんだ。


何かで思い切り叩いてガラスを割る姿は、容易に想像できた。





でも三人は今のアズマの状態を知らない。
計画通りなら、このまま私が先生の足止めをして、三人を逃がさないと。



でも......。





苦しそうに横になっているアズマに視線を戻して、唇を噛む。





このことは、伝えるべきだろうか?

今まで私達を引っ張って来てくれたひとが、今苦しい状態でいること。
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