あかいろのしずく
案外純粋なタイプだった。
「アズマも作るんだよ」
「なんで俺も?」
「身長高いのに損してる。顔も悪くないのに損してる」
「損ばっかりだな」
ふは、と笑う。
高口はたまに俺の外見を褒めるが、そういう割には告白もされない。そもそも目立つタイプじゃないからだろうな。部活も入ってないし。
まあ、別に期待しているわけじゃないけど。
ジュースのパックを教室後方のゴミ箱に捨てに行く。途中、ふとあることを思い出して俺は高口に言った。
「別に同い年じゃなくてもよくね?」
「えー、でも、同い年の方が絡みやすい」
高口は鞄を背負って返した。