あかいろのしずく
それはそうだけど。
「やってみないと分かんないぞ」
「どうだろ」
付き合うっていえば同学年だけど、よく考えれば別にルールはないんだよな。自然な流れで対象を絞るのはいいけど、俺はそれこそ損している気がした。
俺が偉そうに言うことはないんだけれど。
「今日も塾?」
「そうです。この後六時からな」
「大変だな。頑張れよ」
「うん」
そんな会話を交わして高口は、教室を出ようとした。
しかし、ドアの前に立って一度立ち止まる。何か忘れ物?そう聞こうとする前に、高口が笑顔で振り返った。
「お前も頑張れよ、このままじゃ青春できないまま終わるぞ!」
別にできなくてもいいよ。
喉の近くまで上がってきた言葉を呑み込んで、俺は頷いた。