あかいろのしずく
しばらく待っていたけど、俺は諦めた。
ダメだな、ここは思い切って普通に、と、ミナトの肩を叩く。が、これがマズかった。
その瞬間ミナトは弾かれるようにしてこちらを向いた。その表情と言ったら、鬼のような形相で。純を見るなり、ミナトは笑ってそちらに手を伸ばそうとした。
純が酷く怯えた顔をしていたので、俺は咄嗟に、その手が純に届く前に払ったが。
「なに、用があるなら早く言って」
「......ああ」
人が変わったように冷たいミナトに気圧される。
どうしてしまったんだろう、そればかりが頭の中で繰り返された。
沈黙が流れる。ミナトが「もういい? いいよな」と急かすように聞いてきた。
言葉を失っている俺の代わりに、純が繋げた。
「お、おめでとう!」