あかいろのしずく
「最初はな、純ちゃんから言い出したんだ。俺のこと気遣ってな、なんかあったら自分に全部ぶつけろ、って言ったんだ」
ぽつりぽつりと、雪が地面に落ちるのと重ねて、ミナトは話した。
空気が震える。その声ははっきりと聞こえた。
「別にそんなことしたくなかったんだよ。でも知らないうちに、体が勝手に動くんだ。もう勉強ばっかり嫌だって、思い始めてからかな、言葉だけじゃ済まなくなったんだ」
言葉だけじゃ済まなくなった。
その意味はすぐに分かった。
「俺、どうしたんだろうな。なんでこんなことばっかするんだろな、って。純ちゃん倒れてるところ見て、いっつも思うんだ。それでも、純ちゃん許してくれんの。俺が殴っても蹴ってもさ、笑ってくれんの」
純は優しいんだ。俺もそれはよく知っている。
誕生日プレゼントのことだって、あの子は手編みのマフラーを渡したんだ。俺とは違う、世界にたった一つしかないものを渡した。