あかいろのしずく
膝からコンクリートの上に落ちると、金切り声で絞り出す。
「また落ちるのが怖い、勉強なんてしたくない。誰にも期待されたくない。将来が不安で、頭がずっと痛いんだ。もう嫌だ。もう嫌なんだ......」
白い息を吐き切ると、ミナトは嗚咽して肩を震わせた。
小さくなったその背中に、心臓を握りつぶされるみたいに胸が痛んだ。
ミナトは苦しんでいた。悪気がないわけじゃなかったんだ。
人生なんて、間違いだらけじゃないか。
分かってることより分からないことが多いのは、俺達がまだ子供だからだ。
辛くなって逃げたことを後悔したって、何も生まれない。あの時はそれで良かったと受け入れるしかない。それで沢山前に進めるなんて、綺麗ごとだけど、でも。
......なあ、ミナト。
気づいてないかもしれないけどさ、今ならまだ間に合うんだ。
そんなに苦しまなくたって、いいんだ。
そう、言ってやりたかった。
その後もミナトは屋上で、雪が止んでも空が暗くなっても泣き続けた。