あかいろのしずく











冬休みが明けて、純は死んだ。




ミナトは自分のせいだと言った。その電話を受けた時、俺は寝込んでいた。


「しんどいよな、大丈夫だよ。なんとかなる、大丈夫」真っ暗な画面の向こうのミナトに笑いかけて何の根拠もなく話したことを、今でも覚えている。



カウンセラーと名乗る男性がうちに来て、俺から色んなことを聞き出そうとした。俺はずっと黙っていた。




そしたら西平は急に音楽を流し始めて、気づいたら俺は部屋を出ていた。


ぼうっとして自分が果たして生きているのか、その境界すら危うい中でクローゼットの中のジャケットを掴んで羽織り、片手に掴んだ薬をポケットに詰めた。


車の後部座席で荒い息をしている俺に、西平は言った。



「アズマくん、これから君を誘拐します」
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