あかいろのしずく

「お前には言ってなかったな、ごめん」

「なんで......?」

「なんでかな」



ショウトが「行きますよ、サユリ先輩」と言って振り返る。西平が痛みに顔を歪めている。もうそろそろ解放してやりたいが、四人がここを出ない事にはそれもできない。



サユリが足を進め出す。俺の後ろを足音が通る。


階段を気を付けて降りていく。そうして次に気づいたら、もう同じ階に四人の姿はなかった。



サユリ。


別に信じてなかったわけじゃないんだよ。
忘れてたわけでもない。
言わなくても大丈夫だと思ったんだ。


唯一の同い年だったんだ。
お前なら、分かってくれると思ったんだ。
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