あかいろのしずく
「ショウト、ここに落ちてるの玄関の鍵だから。あと暗証番号は0108」
「分かりました」
「ちょっと待ってよ......どういうこと!?」
訳が分からないという顔をしてサユリが叫んだ。寝起きだからか髪がぼさぼさだ。突然だったから、理解が追い付いていないんだろう。
ショウトが俺の隣に落ちていたキーケースを拾う。
「三度目の正直ってやつだよ。助けに来た」
ショウトがサキの手を引いた。二人は俺の後ろを過ぎて階段に向かっていく。ナナカを背負ったサユリだけが、その場に取り残されていた。
それもそうだ。
サキにはこのことを事前に知らせていた。ナナカは諦めるなとは言ったが、結局眠っているから問題ない。サユリだけが今、この状況を呑み込めていないのだ。