あかいろのしずく
伝えたい言葉も想いも、ここで断ち切って前を向こう。
純に弱い姿なんて見せたくないだろう、なあ?
そう思っていたから、僕はもう、どんな耐え難い痛みだって苦しみだって、覚悟していました。
しかし、僕が思っていたよりずっと、現実は予想もつかないほど、厳しいもので。
純は僕が思うよりずっと、いたずらだったのです。
「え............?」
目の前に広がる光景に、僕は思わず目を見開きます。