あかいろのしずく

「私たちは死んでからずっと後悔していたんです、だからこの機会をもって、あなたに感謝を伝えるつもりでした。あの子がいたから、またあなたにこうして会うことができた。あの子にも感謝してもしきれないです」


今こんな状態でそんなことを言われたら、堪ったもんじゃありません。
女性はようやく、僕の目を見ました。そして涙を流して、幸せそうに笑うのです。

それは僕の希望でもあり、いつかの夢でもありました。







僕の仕事は、ひとの心に寄り添うこと。
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