広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
「まあ、俺は広瀬が日下部さんと付き合うの、いいと思うけどなー」
「しつこいよ…。そんなこと勝手に言ったら日下部さんにも失礼だろ」
「そうか?日下部さん、広瀬のこと好きなんじゃね?」
「っ、だから、そういう決めつけが失礼なんだって」
「そんなもんかなー。まあ、結局は広瀬たちの問題だもんな。俺があれこれいうのも変か」

そういうと長森はコロッと話を変えて、昨日読んだ漫画の話題なんかを持ち出してきた。
あまり引きずらないのは彼のいいところだと思う。
僕は内心安堵しながらその話題に乗る。
(もっともその漫画は読んだことがないのだけど)

……ああ。
それにしても。

長森との話題は変わっても、僕の心の切り替えは正直できていない。

日下部さん。
僕と彼女の関係は一体なんだろう。

付き合っているわけではない。
でもただのクラスメイトとは違う。
なにより僕自身、日下部さんのことを他のクラスの誰よりも特別に思っている。
ただそれはいわゆる付き合いたいと願う恋愛感情なのだろうか。
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