広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
日下部さんはいい子だ。
長森は彼女を癒し系だという。
僕も日下部さんと一緒にいるとなんだかホッとして……楽しい。
……できるなら、もっと一緒に……いたいかもしれない。
それなら……これは?
(……いや、やめよう)
結局、堂々巡りをするだけだ。
だいたい日下部さんの方の気持ちはどうなんだ。
僕が勝手にいろいろ考えて、彼女の気持ちを無視してはいけない。
だからとりあえず今は結論は出さなくていいんだ。
今は、まだ……大丈夫。
「……ふう」
知らずに口からもれるため息。
安堵からか諦念からか自分でもわからない。
でもそれで思考を切り替え、僕はこの気持ちの追及を放棄した。
「……あ、そうだ。俺、ガイドブック買ったんだよ。京都と大阪の。読もうぜ」
ふと思い付いたように長森が机から雑誌のようなものを取り出した。
書店やコンビニでよくみる観光案内本。
大きくて目立つ文字で「京都・大阪」と書かれている。
「へー、もう買ったの。準備いいね、長森」
「まあな。しっかり予習しとかなきゃだろー」
そう言って緩んだ笑顔を浮かべる長森。
おそらく自由時間に小泉さんとあれこれ観光する想像をしているのだろう。
長森は彼女を癒し系だという。
僕も日下部さんと一緒にいるとなんだかホッとして……楽しい。
……できるなら、もっと一緒に……いたいかもしれない。
それなら……これは?
(……いや、やめよう)
結局、堂々巡りをするだけだ。
だいたい日下部さんの方の気持ちはどうなんだ。
僕が勝手にいろいろ考えて、彼女の気持ちを無視してはいけない。
だからとりあえず今は結論は出さなくていいんだ。
今は、まだ……大丈夫。
「……ふう」
知らずに口からもれるため息。
安堵からか諦念からか自分でもわからない。
でもそれで思考を切り替え、僕はこの気持ちの追及を放棄した。
「……あ、そうだ。俺、ガイドブック買ったんだよ。京都と大阪の。読もうぜ」
ふと思い付いたように長森が机から雑誌のようなものを取り出した。
書店やコンビニでよくみる観光案内本。
大きくて目立つ文字で「京都・大阪」と書かれている。
「へー、もう買ったの。準備いいね、長森」
「まあな。しっかり予習しとかなきゃだろー」
そう言って緩んだ笑顔を浮かべる長森。
おそらく自由時間に小泉さんとあれこれ観光する想像をしているのだろう。