広瀬くんは、いっぱい食べる私が好き
ピンチとチャンスと梅雑炊
修学旅行まであと数日に迫った夜。
そろそろ持ち物を用意しておかないと。
私は大きい鞄に着替えやその他もろもろをつめていく。

「んーとー。靴下とーシャツとー、それからー……」

ごそごそ。ごそごそ。 
大きめの鞄がたくさんの持ち物でうまっていく。
荷造りの作業がなんでか昔から好きだ。
鞄の中がいっぱいになっていく様子は、まるで宝箱にジュエリーをつめているような気持ちになる。

「はー。楽しみだなあ修学旅行」

京都に大阪。
何が食べられるのかな。何を食べようかな。

京都の抹茶スイーツや、見た目にも上品なおばんざい。そして京都は意外にハイカラ好きで洋食も美味しいらしい。
大阪はやっぱりたこ焼きははずせないなー。店によって味がかなり違ったりするらしいから食べ比べもいいよね。

「えへへ……」

頭の中を巡る食べ物の妄想にうっとりしてしまう。

そのとき、玄関が開く音がして階下が騒がしくなった。
「ただいまー」と叫ぶ上機嫌な声。
お母さんが帰ってきたみたいだ。
< 88 / 93 >

この作品をシェア

pagetop