仮想現実の世界から理想の女が現れた時
7月31日(火)

「瀬名さん、おはようございます。」

今日も石原が出勤するなり、暁里の席に向かった。

「どうぞ。」

と言って、机にペットボトルのミルクティーを置く。

「あの、石原さん!」

暁里が呼び止めるが、石原は手をひらひらと振って立ち止まることなく、自席へ向かう。

むかつく。

むかつくけど、表面上、注意に値することはしてないから、俺から何かを言うことはできない。

それが余計にむかつく。

俺が出来ることといえば、せいぜいひとりむかつくことくらいだ。


8時50分。

田中が出勤してきた。

「おはよう。
今日はよろしくね。」

「ああ。」

暁里と田中が挨拶を交わし、日常業務に入っていく。


30分後、俺も会議のため、席を外した。

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