仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺はあえて聞いてないふりをして顔を上げる。

「田中、明日の予定はどうなってる?」

田中は、慌ててスケジュール帳を開いて、答える。

「山波電子産業さんと、亀山食品さんを訪問
予定ですが。」

「じゃあ、明日は瀬名を同行させてやって
くれ。」

「え?」

「明日は、1日会議で俺は席を外してる。
俺の代わりに、瀬名にシステム営業課
ナンバーワンの営業トークを見せてやれ。」

俺はそう言って笑みを向け、田中を挑発する。

「はい!」

田中は、暁里を見て、にっと笑った。

「よろしくな。」

という田中に、暁里も

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

と挨拶をして笑った。
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