仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「暁里が営業に向いてるのと、俺が暁里を
好きになったのは、全く別の事だ。」

「はい。」


「だから、暁里は俺を信じて頑張ればいい。

………………

俺を信じられるか?」


俺の言葉に、暁里は大きく頷いた。


「よかった…

それから、田中の事だが、これは、俺が口を
出す事じゃない。

もちろん、はっきりと断ってくれれば、
俺としては嬉しいが、決めるのは暁里だ。

分かるな?」


「うん。」


「じゃあ、昨日の報告はここまで。」

俺は立ち上がると、暁里の横で腰を折り、肩を抱いて触れるだけの優しいキスをした。


「暁里。

これは、誰にも報告しちゃダメだからな。」


そう言うと、俺は暁里に微笑んで、会議室を後にした。


暁里は分かってくれただろうか。

うん、きっと分かってくれたと思う。

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