仮想現実の世界から理想の女が現れた時
席に戻ると、田中が出勤していた。

「おはよう。」

暁里はいつも通りに挨拶をする。

「おはよう。」

田中も一見、いつも通り。

ちょこさんのダイアリーを見ていなければ、気づけなかっただろう。


「田中君、今日、何時に上がれそう?」

暁里が尋ねる。

「今日は契約が取れるから、いろいろ遅くなる
と思う。」

いや、契約が取れたからって、そんなに遅くはならないだろ。

「そうだったね。
じゃあ、お祝いしなきゃ!
桜たちも呼んで、パァっと騒ごうよ。」

暁里は明るく誘う。

「分かった。
ありがとう。」

田中君はそう答えて、今日の仕事の準備を進める。

それを横目に、暁里は立ち上がると、システム課の加藤のところへ向かう。

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