仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「瀬名さんは、休みの日は何してるんですか?」

ビールを注ぎながら、石原が仕掛ける。

「んー、別に何も。
溜まった洗濯物を片付けたり、部屋を
掃除したり、普通の事しかしてないよ。」

「料理はするんですか?」

「簡単なものならね。
石原さんもSEなら分かるでしょ?
仕事に追われて料理する暇がない生活だった
って。」

「ははっ
そうですよね。
瀬名さん、SEだったんですよね?
瀬名さん、なんで営業に行っちゃったん
ですか?
俺、瀬名さんと一緒に仕事したかったです。」

「ははっ」

俺は思わず笑ってしまった。

「石原、お前、瀬名の補充要員だぞ?
瀬名が営業行かなかったら、そもそもお前、
採用されてないし。」

「あ、そうか!」

つられて石原も笑う。
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