仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は、綺麗に整えたばかりのベッドに腰掛けて、握った暁里の手を引いた。

暁里も俺の隣に腰掛けると、

「暁里…」

と名を呼んで、その柔らかな唇にそっとキスをする。

「部長…」

暁里は、俺の腕に掴まって、俺の肩に頭を預けた。

「暁里…
そろそろ部長はやめない?」

俺は暁里の耳元で囁いた。

「え?
あ、でも、なんて…」

「悠貴。
悠貴って、名前で呼んで。」

「悠貴さん?」

「ん、暁里、愛してる…」

俺は、暁里の肩を抱いてまた口づける。

啄ばむように、何度も、何度も。

俺は、暁里のうなじに手を添えて、そのままベッドに横たえた。

< 137 / 227 >

この作品をシェア

pagetop