仮想現実の世界から理想の女が現れた時

「じゃあ、友達との予定決まったら、教えて。
暁里が行きたいところも。
岐阜デートでもいいぞ。」

なんたって、俺も暁里も岐阜に帰るんだから。

「えぇ！？
岐阜なんて、行くとこありませんよ〜」

「お？
じゃあ、俺にお任せでいい？」

「いいですよ。
楽しみにしてますね。」


14時過ぎ。
暁里が、布団や洗濯物を取り込む。

ひとりでシーツを掛けるのは大変そうなので、俺も手伝い、手早く終える。

「ありがとうございます。
助かりました。
でも、いいんですか？
貴重なお休み、私に付き合って潰れちゃい
ましたけど。」

「暁里と過ごしたかったんだ。
仕事中は、暁里に触れるのを我慢してるから、
休みになると、暁里に触れたくてたまらなく
なる。」

俺は暁里の手を握った。

手を握って見つめると、暁里は恥ずかしそうに目を伏せる。