仮想現実の世界から理想の女が現れた時
帰省
8月11日(土)

今日から夏休み。

11時すぎ、俺は暁里を迎えに来た。

今夜、0時頃に出発して帰省の予定だが、少しでも出発前の労力を減らすべく、昼からまったりと俺の部屋で一緒に過ごすことになっている。

「暁里、何食べたい?」

助手席の暁里に尋ねる。

「悠貴さんは? 食べたいものないの?」

「そうだなぁ。
俺はお腹に貯まるものなら何でもいいかな。
女子が好きそうな、小洒落てるけど量が
少ないワンプレートランチとかは、
遠慮したいけど。」

「ふふっ」

隣で暁里が笑みをこぼすのが分かる。

「じゃあ、ラーメン!」

は!?

「くくっ」

俺は思わず笑ってしまった。

付き合って間もない女が、ラーメンをリクエストするか?

ま、そういう裏表がなくて正直なところも好きなんだけど。

「了解。希望はある?
豚骨とか塩とか。」

「うーん、こってり系のラーメンが
食べたい気分。」

「了解! じゃあ、平日は食べられない
にんにくたっぷりのラーメンにするか。」

「うん!」

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