仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「俺が直接指導するから、いらない。
俺がついてやれない時には、その時々に
適任だと思う奴に指示する。」

今村課長は、何か言いたげだったが、まだよく知らない若造の上司に反論するのはやめたようで、ただ「分かりました」とだけ答えた。

営業も席はほぼ年功序列だ。

瀬名の席は、田中の隣になった。

2人の関係はよく分からないが、田中が瀬名を想ってるのは間違いないだろう。

じゃあ、俺は?

ちょこさんを好きなのは間違いない。

瀬名を好ましく思ってるのも事実だ。

だけど、それが、女としてかと問われれば、自分でもまだよく分からない。

分からないけど、席を移動した直後に、2人が仲良く食事に行く相談をして帰っていくのを見るのは、なんだか面白くなかった。

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