仮想現実の世界から理想の女が現れた時
ちょこさんと日々、コメントのやり取りをするようになって間もなく2年という頃、俺が支店長を務める名古屋支店に父がやってきた。

父といっても、母とは離婚をしているので苗字も違えば、住む家も違う。

同じなのは、勤務先のみ。

俺は大学卒業時、父の願いを聞き入れ、父の会社に入社した。

まぁ、数百人の社員の先頭に立って働く父の背中は、子供心にかっこいいと思ってたし、俺がこの会社を大きくすると思って育ったというのもある。

要するに、幼い頃から後継ぎとして洗脳され続けた結果だ。

ただし、入社の条件は、つけさせてもらった。

配属は、本社ではなく、名古屋支店である事。

これは、譲れない。

本社に配属されれば、絶対、社長令息として腫れ物に触るように扱われるに決まってる。
上司にも同期にも。

俺はそんなのは嫌だし、実力をちゃんと評価してもらいたい。

< 5 / 227 >

この作品をシェア

pagetop