仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺は父の会社には入ったが、大人になった今は、どうしても社長になりたい訳じゃない。

もし、この会社で俺が1番社長に適任なら、社長になってもいい。

だけど、そうじゃなければ、本当に適任な奴が社長になればいいんだ。

俺はその下で、社員として一生懸命サポートする。

そのためにも、俺は父とは苗字が違うのをいい事に、関係を内密にするよう、父に依頼した。

父は、快く引き受けてくれた。

だから初めは、普通の新入社員のように厳しい新人研修を受け、その後、営業職として名古屋支店システム営業課営業係に配属された。

事務機器全般を取り扱ううちの会社は、他の営業職は商品知識を暗記して営業トークをすればいい。

だけど、システム営業部だけは、社内のSEによる受注生産を含むため、商品知識だけでは売れない。

俺は、システムの作り方から学んだ。

コンピュータは魔法を使える訳じゃない。

出来る事、出来ない事、採算性。

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