仮想現実の世界から理想の女が現れた時
「で?」

「はい?」

「いつまでしがみついてる?」

「あ!!
すみません!」

俺が指摘すると、瀬名は慌てて、俺から離れた。

「くくっ
いいよ。
役得だな。」

これぞ、おばけ屋敷の醍醐味。

「じゃあ、飯でも食って帰るか。」

おばけ屋敷で沈んだ瀬名の気分を変えようと、俺は明るく言った。

「はい。」

瀬名は思ったより沈んだ声で答えた。

そんなにお化け屋敷が怖かったのか?

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