仮想現実の世界から理想の女が現れた時
それは…

「辛かったな…」

俺は、また瀬名の頭を撫でた。

「でも、お前の中身に惚れてる奴もいる。
お前は、自分が惚れた奴が、本当にお前の
中身に惚れてるのか見極める目を持てば
いい。」

「はい…」

「ほら、今日は飲んでいいぞ。
送ってやるから。」

俺は、明るく声を掛ける。
すると、目の前のピザを頬張った瀬名が幸せそうに顔を綻ばせて言う。

「ん!
このマルゲリータ、おいしい!」

「だろ?
ほんと、お前、色気より食い気だな。」

「いいじゃないですか。
部長だって、どうせ色気出して迫ってくる
女の人とは、食事なんて行かないでしょ?」

「それは相手による。
それが惚れた相手だったら、大歓迎だな。」

ま、自分から迫ってくるような女に惚れたことはないけどな。

「えぇ!?
部長の好みって、どんな人ですか?」

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