仮想現実の世界から理想の女が現れた時
俺たちが会社に戻ると、システム課の事務をやってる富田が駆け寄って来た。

瀬名はSEの加藤桜(かとうさくら)と事務の富田百合(とみたゆり)の2人と仲がいい。

「27日の金曜日に、新しいSEさんの歓迎会を
しようと思うんですけど、部長のご都合は
いかがですか?」

俺は手帳を開いて、答える。

「6時には戻って来れるから、少し遅れるかも
しれないが大丈夫だ。
揃ったら先に始めててくれていいから。」

「はい。
暁里さんは?」

富田は瀬名にも確認するが、瀬名は笑って、

「私のスケジュールは部長と一緒だから」

と答えた。

「何、言ってるんですか。
仕事のスケジュールは一緒でもデートの
予定は分からないじゃないですか。」

「ごめん。
そんな予定はここ何年もない。」

何年もっていうか、高校生の時以来ないんだろ?

「っていうか、開発課の歓迎会に私、行っても
いいの?」

瀬名が心配する。

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