君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
電話してしばらくすると、創がやってきた。
相当急いできたようで、あまり表情を変えない創にしては、めずらしく息を乱して険しい表情をしていた。
「創!」
「―――タケ。茜、いったいどうしたんだよ―――?」
創は少し怒ったような口調のまま、俺に問いかける。
俺は、なんて答えたらいいのか分からなくて、唯、茜を指差した。
「茜が……なんか良く分からないんだけど、取り乱して。
どうしたらいいのかわかんなかった」