君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
 
 パジャマ代わりにいつも着ているTシャツを脱ごうとして、俺は昨日制服のまま寝てしまっていたことを思い出した。

 制服姿で、しかもズボンも抜かずに眠ってしまっていたから、皺だらけになってしまっていたそれを見て、俺は憂鬱な気分になる。


 昨日は結局、あの後、どうしようもならなくなった俺は、創を呼び出して(茜の携帯電話を拝借したら、気持ちが悪いほど創からの着信履歴が残ってた)、茜を引き渡した訳なんだけど。



 ――なんだか、なぁ。



 やってらんねぇよ。と誰にともなく、毒づいてやりたくなる。
 
 そんな気分だった。



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