君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
「……そう、大学行くんだって。だから受験勉強もしなきゃだし、年明けたら俺の相手ばっかりしてらんなくなるって、そう言われた。路上ライブもあんまできなくなるし、って……。
それに……彼女の相手もしなきゃならないから、って」
「それ、創がそう言ったの!?」
「……うん。
ここ最近、そうの態度がなんかおかしくて、こいつ絶対なんか隠してるなって思って問い詰めたんだ。そしたら……」
俺には茜が話した内容は、信じがたいものだった。
創が、茜を見捨てる訳がない。
今までもてるくせに全く女っけの無かった創に彼女が出来たのもへんだ。
だって、絶対創は……。