君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

「―――タケ、」


「まだ創には適わないかもしれないけど、茜は俺が絶対に幸せにするから。だから、安心して」


「タケ!」


「じゃあね、創。お茶、ありがとう」



 俺は、そのまま創のアパートを出た。少しだけ、ゆっくり歩いてみたけれど、創が俺を追いかけてくる気配は全くなかった。

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