君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

 創の笑顔も、俺は好きだった。

 なんだかひどく安心できて、俺には兄貴がいなかったから、そんな感じで。
 でも一番の創の笑顔はいつだって、茜に向いていて。

 俺が好きな、大切な茜の笑顔の最上級も、いつだって創に向いていた。

 それでも2人は、いつだって、俺を間に迎え入れてくれていたんだ。

 それを捨てたのは、――――俺だった。

 それでも確かに手に入れたかったのだけれど。
 その均衡を破ってでも、俺は茜が欲しくて、創には茜を幸せには出来なくて、だから。

 ―――後悔なんて、俺は絶対、しない。

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