君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
「夏休み前の前夜祭の企画のうちの一組らしいよ。
今度の金曜日の夜だって。
大丈夫そう?」
「うん、金曜ならバイトも入ってないし、全然行ける!
な、じゃあ木曜にでも前祝してやろうよ」
「でも、前日はタケもバンドのやつらと練習とかあるだろうし、土曜ぐらいに飲み会開いてやったら?」
おれの言葉に茜は不満そうに唇を尖らしてみせる。
が、その後に続いた、木曜日は二人で内祝いにしよう、との提案に、すぐに満面の笑みに戻った。
「ほんと、茜はちょろいよな」
子どもみたいに素直に感情を表す茜がかわいくて、そう言いながら笑うと、茜はいつもの減らず口を返してきた。