約束のエンゲージリング
「凄い!お部屋にお風呂も付いてるんだ!!」
「こちらの裏の方に進んでいだきますと本館に繋がる通路もございます。お部屋に本館までの通路と館内の案内パンフレットもございますのでご覧下さいませ。では奥様の浴衣をお持ち致しますので中でお寛ぎになってお待ち下さい。」
「はい!ありがとうございます。ほらっ!マサ兄!!中に入ろっ!」
「え、、?」
早く中に入りたくて急がせるように彼に声を掛けると近くにいた若女将が怪訝な表情を浮かべた。
それに気づいた彼が困ったように笑った。
『千佳、いくら幼馴染が長かったからっていい加減その呼び方変えてくれないかな?俺らは夫婦になったんだから。』
「あ、、、ごめんなさい、、マサさん。つ、つい癖でっ、、!」
彼の言葉にハッとして必死に話を合わせる。
そうだったっ、、!
ここでは夫婦という事になってる。
それなのに〝マサ兄〟なんて呼んだら不審がられても仕方ない。
久しぶりの〝マサさん〟呼びもすんなり言葉にできてホッとする。
チラリと若女将の方を見ると優しく微笑んでこちらを見ていた。
「幼馴染でご結婚されたんですね。素敵ですね。もしかしてこちらには新婚旅行で?」
『まぁ、、そんな感じです、、。』