約束のエンゲージリング
そのままピリピリした雰囲気の中、本館のお土産コーナーに到着した。
掴まれている手を自分の方に勢いよく引いて、彼を睨みつけた。
「もうっ、、!マサさん、取り敢えず手首痛いから離してっ!お土産見にくいし!!」
『取り敢えず一旦離すけど、帰りはまた繋ぐからそのつもりでね。じゃあ見ておいでよ。俺はここに座って待ってるから。』
私を解放した彼はそう言い残してお土産コーナーの近くにあったソファーに腰掛けた。
彼が離れてから熱を持っていた手首を見るとうっすら赤い。
ここまでなるほど握らなくてもいいのにと念を込めて彼をジロリと見るが、全然気づいていないようで旅館の案内パンフレットを眺めている。
そんな姿を見て大きく溜息をついてから、お土産を眺めた。
すると旅館に来ていた女性の団体さんがお土産コーナーになだれ込んで来た。
「今年の社員旅行は当たりだったよね〜〜。本当いい旅館だし。」
「ねーっ!!」
「しかも旅館のスタッフさん、イケメン多くない!?ってあのソファーに座ってる人、めちゃくちゃカッコよくない!?!?」
「本当だ。しかもイケメンの浴衣って凄いセクシーだね。色気がヤバイ!!声掛けてみよっか?!」
「やめなよ〜〜。がっつき過ぎ!!欲求不満かよ〜。」