約束のエンゲージリング
『そうでしたか。それは妻がご迷惑お掛けしました。それとご忠告ありがとうございます。妻にはいつも手を焼かされるので、団体の社員旅行となればより一層気をつけます。では失礼します。、、いくよ千佳。』
「う、うん。」
強引に私の手を引いてその場を立ち去る中、振り返って男性に頭を下げた。
「本当にすみませんでしたっ、、!」
「気をつけてね?夕飯が終わった後は羽目を外した酒に酔った奴らがウロつくだろうから。部屋を出るときはちゃんとご主人と一緒に行動した方がいいよ。じゃあ旅行楽しんで。」
困ったように笑いながら手を振る男性に別れを告げ、渡り廊下を無言で歩く。
歩くというよりも連行されている感じた。
最近は彼を怒らせてばかりいるなと反省しながら黙って彼の後について歩く。
離れの部屋に着いてようやく解放された手。
振り返った彼は呆れた表情を浮かべている。
こんな表情させるつもりはなかった。
温泉で日々の疲れを癒しに来たのに、かえって疲れさせてしまった。
「、、ごめんなさい。迷惑ばっかり掛けて。」
「そう思うならウロウロしないで。1人で行かせないで正解だったよ。さっきの人も言ってたけど、1人行動は控えるように。」