約束のエンゲージリング


美味しい料理に舌鼓を打ちながら彼と向かい合って過ごす時間は格別なもので、普段しないような下らない話に花を咲かせた。


食べてしまえるか心配していたが長い時間を掛けてゆっくりと食べたからか、2人とも綺麗に完食した。













「ご馳走でした。ふぅ〜お腹一杯だぁ。こんなに食べたの初めてかも。」

『いい食べっぷりだったよ。千佳は食が細すぎるんだから普段からこれくらい食べなきゃだめだよ。』

「今日は特別に沢山食べれただけだよ。毎日こんなに食べたら大変なことになっちゃう。それよりお腹が満たされたからかな?眠くなってきたなぁ。」

『こらこら、食事の後に直ぐに寝ると身体に良くないよ。折角の温泉旅館なんだから、せめてお風呂入ってから寝なさい?』

「は〜い。」








まるで母親のような彼の言葉に苦笑いを浮かべながら立ち上がり温泉へ行く準備を始めた。



「じゃあ、、温泉行ってきます。」


温泉に必要なモノと着替えを抱えて、そう声を掛けて部屋から出ようとすると同じく着替えを持った彼から声を掛けられた。








『どこいくの?部屋に露天風呂ついてるんだから千佳はここのを入りなさい。その為の〝温泉付き離れ〟なんだから。俺が本館の方に行ってくるよ。』


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