約束のエンゲージリング
沙羅姉は、私の言葉に一瞬驚いてそれから柔らかく眉を下げて笑った。
「じゃあ一緒だね、私達。あんなに大事にしてくれる人、なかなか出会えないよ。千佳も、、そうでしょ?」
「っ、、うんっ!!!」
生まれた時からすっと大事にしてくれた人。
彼の中で私への感情にどういう変化があったのかは分からないけど、誰かと比べるのはやめよう。
じゃないと彼に失礼だ。
未だに玄関先から動かない私達に痺れを切らした兄が大きめの声で呼ぶ。
「千佳、早く来い。始めないと日が暮れる。沙羅と話があるなら後日しに来い。」
『孝ってば大袈裟だよ。千佳は比較的、荷物が少ないんだからそんなに急がせなくても大丈夫だって。』
またもや必至に少しイラついている兄をなだめてくれている彼を見て、クスクスと隣で微笑む沙羅姉を横目に慌てて声を上げた。
「ごめんなさい!今行きますっ、、!!!」
早朝からの引っ越しはこうして幕を開けた。