約束のエンゲージリング


車がみえなくなくなって彼と2人っきりという状態に今更ながら緊張してきた。






「ま、マサさん!今日は早朝から本当にありがとう。疲れたでしょ?取り敢えず中に入ろ?私も少し疲れちゃったから出前取るね!今日こそ、私がご馳走するから!!」


ぐっと彼の腕を掴んで部屋の中へと招き入れる。





そういえば彼と同じアパートに住んでいた時も部屋で2人っきりになった事なんて無かった。

そう意識してしまえば緊張が増す。






そんな私の緊張が伝わってしまったのが、玄関先で立ち止まる彼。





『何も出前じゃなくてもいいんじゃない?車なら俺が出すから外に食べに行こうか?それとも食事自体、今日はやめとく?千佳も疲れてるみたいだし。』

「え!?そんな、、!!まだ帰っちゃ嫌!!」







彼の言葉につい本音が漏れる。



今日から本当の独り暮らし。

正直言うと少し不安だった。




同じアパートに彼がいるというのは、やっぱりどこか安心していて目と鼻の先に兄の家もあった。


それが今日から今まで当然のようにあった安心感がなくなってしまう。






それを不安に思わない訳がない。

せめて今日だけは眠るまで側に居て欲しい。


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