約束のエンゲージリング


ましてや想い続けている相手は、絶対に振り向いてくれない15歳も離れた相手で不毛な恋を続けている事で更に心配させているのだろう。

きっと兄も沙羅姉と同じ気持ちでいるに違いない。






本当にここら辺で潮時なのかもしれない。


彼への想いに終止符を打って前に進まなければきっとこの先もずっと孝兄や沙羅姉を心配させてしまう。

いい加減、大人にならなければいけない。






頭ではちゃんと分かっているんだ。


彼が私を異性として見てくれることは一生ないのだと言う事を。








今日、また新たな家族が増えるのだと幸せそうな2人から報告を受けて、嬉しさと同時にとてつもなく羨ましく思った。

私も彼を諦めらめれば人並みの幸せを望めるのかな、、。









「、、千佳にも愛される幸せを、、そして母になる喜びを知って欲しい。だって私は孝に出逢って、人に愛される喜びを知って、そんな彼との子供を授かって母親になれてとっても幸せだから。人一倍苦労してきた千佳には私なんかより何倍も何十倍も幸せになって欲しいよ。」






少し泣きそうな表情の沙羅姉の手をしっかりと握り返してゆっくりと言葉を発した。









「、、うん、そうだね。そろそろ本気でケリつけなきゃだよね。今月、25歳の誕生日の日に告白する!それで駄目だったらキッパリ諦めてちゃんと前に進むよ。だから、、そんな泣きそうな顔しないで、、?お腹の子にも良くないよ。」


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