約束のエンゲージリング


「そう、、だね。でも私やっぱり、、、。」

「マサくん以上の人は現れない、、?」









私の気持ちを汲んでくれた沙羅姉が眉を下げて小さく呟いた。



「うん、、、。今までに何回もマサさんの事を諦めようとしたよ。男の子とも何人か付き合った。でもやっぱり違くて、、いつだって思い浮かべるのはマサさんなの。今日だってマサさんにハッキリ〝家族〟だ〝妹〟だって言われた。でもずっとマサさんだけが好きだから簡単には諦めなれないのっ、、!」




私の悲痛な叫びに、沙羅姉は静かに頭を撫でてくれた。





「、、確かにマサくんはいい男だよ。でもいくら想い続けても、待ち続けてもきっと振り向いてはくれない相手だよ。千佳に限ったことじゃなくて、、もう誰とも恋人にはならないと思う。、、それならっ、、!もうマサくんは諦めてさ!?千佳は可愛いんだから他の男の人にも目を向けてみたらどうかな、、、?女は愛された時、幸せだって思える生き物なの。きっと千佳の事、心から愛してくれる人は別にいる!!、、、私ね、千佳にも幸せになって欲しいの。」




真剣な表情で見つめられ、手を優しく握られた。

きっとその言葉を言うのに物凄い勇気と覚悟あったんだと思う。

その証拠に握られた手は少し震えていて、私への愛情の大きさがヒシヒシと伝わってくる。





今月で迎える25歳という年齢は、ちょうど結婚適齢期だ。

結婚はおろか恋人もいない私を心配するのも無理はない。


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