約束のエンゲージリング
自分の言葉に一瞬驚いた表情を見せ、その後は困ったように柔らかく笑った。
「うんっ、、。そうだと思った。話してくれてありがとう。長い長い片想いが終わってスッキリしたっ!最後に1つだけ、、聞いてもいい?」
『勿論。』
「私の事、少しは好きだった?」
先程とは打って変わり不安そうな表情の彼女を見ると自然と手を取り、その手をギュッと両手で握る。
『前向きで明るい貴方が好きでした。そんな貴方だから長い事、離してあげられなかった。こんな俺を支えてくれて、、好きになってくれてありがとうございました。心から千尋さんの幸せを願ってます。』
強く手を握ったまま頭を下げる。
彼女の表情は見えないが、その手は少し震えていて泣いているようだった。
「正巳、ありがとう。本当に大好きだったよ。こんな弱くて狡い私を大事にしてくれてありがとう。正巳といる時間はとっても幸せだったっ、、!」
手を振り払われて遠ざかる足音に顔をあげると、既に彼女は店の出入り口に立っていた。
そしてスッキリとした表情で明るく声を上げる。
「少し思う事があって最後に余計な事、しちゃうかもしれないから先に謝っておくね?バイバイ正巳っ!!もし何処かで会えたらその時は、、お互い幸せになっていようねっ!」