約束のエンゲージリング


その矛盾に葛藤しながら涙を流す。








私にどこか雰囲気の似た大人で綺麗なのに自然体に穏やかな表情をするその人が彼の忘れらない人なのだということは直ぐに分かった。

何よりも寄り添う2人があまりにもお似合いで認めざる得なかった。







私の勝手な想像では彼だけが想いをはせているのだと思っていたが、実際はそうではなくその女性が彼に向ける表情は私が向けるものと同じ。


彼が愛おしいという切ない表情。







あの頃のきっと2人はタイミングが合わなかっただけ。

それなら今は、、、?
















彼はこんな私と恋人になってくれて、ちゃんと愛してくれた。

その期間はとても短いものだったけど、本当に幸せでここで〝妹〟に戻ってもきっと変わらず大事にしてくれるだろう。







なんて幸せな事なんだろう。


これ以上、幸せを望んではバチが当たる。







だったら彼が後ろめたい思いをしないで済むようのに、こちらから別れを告げなければいけない。


そうと決まれば必死に涙を拭って、呼吸を整えてから携帯の電源を入れた。







すると彼からの着信歴は更に増えていて、胸が締め付けられる。

< 254 / 284 >

この作品をシェア

pagetop