約束のエンゲージリング
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鍵の掛かっている筈の作業場出入り口の鍵穴に鍵の差し込まれる音がして、ガチャリとドアの開く。
その音に一気に現実へと引き戻された。
目の前には20歳の彼ではなく、手土産を両手に持って少し呼吸の乱れた39歳の彼。
『千佳っ、、!?こんな時間までなんで店に!?』
焦ったようにこちらに近づいてくる彼は、相変わらず心配症でたった3日間顔をみていなかったというだけでこんなにも感情が高ぶって涙腺が緩み言葉が詰まる。
そんな私に彼は突然両手を伸ばし、痛いくらいにキツく抱き寄せられた。
『、、この3日間、千佳から離れて色々考えたよ。でもやっぱり駄目だね?どこで何をしていても思い浮かぶのは千佳だった。この手で千佳を抱きしめたかった。諦める事なんて、最初から出来るわけなかったんだっ、、!』
まるで存在を確かめるように、そのまま無言で抱きしめられ続けた。
暫くするとゆっくりと解放されて、ようやく視線がぶつかる。
『戻ったら千佳に伝えたいことが沢山あったんだ。いままで隠してた事とか懺悔とか。、、でもそんなどうでもいい言葉よりも1番に浮かんだ言葉を今、伝えてもいい?』
溢れそうになる涙を止めるのに必死で首を縦に振る事しか出来なかったが、そんな私を確認した彼は真剣な表情で言葉を発した。