約束のエンゲージリング
それが悔しくて、動揺なんてしてやりたくないと素早く背を向けた。
後ろからはすくすくと笑う声が聞こえて彼が笑っているんだと分かった。
少し乱暴目に服を取ると、彼を睨みつけながら声を掛ける。
「っ、、マサさん!これがいいと思う!!む、向こうの試着室で着替えてきて!!!」
目星をつけた上下の服を彼に押し付け試着室の方へと追いやると彼はふざけ過ぎたと感じたのか、困ったように笑いながらも素直に試着室へと向かって行った。
バクバクと心臓が高鳴って胸が苦しい。
彼が好き過ぎて困る。
ましてや今日はいつも以上に彼が優しくエスコートしてくれて勘違いしそうになる。
きっと今、凄い顔が真っ赤だ。
彼が試着室から出てくるまでには顔を元に戻さないといけない。
パタパタと手で顔を風を送っているとシャーっとカーテンの開く音がそちらに視線を向ける。
『どう?千佳チョイス。自分でいうのもなんだけど、なかなか似合ってると思わない?』
カーテンの向こうにはマネキンよりも完璧に服を着こなした彼が腕を組んで立っていた。
あまりの格好良さに本音を呟く。
「マサさんカッコいい、、、凄い似合ってる。」